浅草橋にある地元に根付く不動産会社のサブリースのための内装改修である。築60年の小さな古い6F建てのテナントビルのうち、半分のフロアを改修した。
オーナーが住居として住んでいたフロアや、基準階としてつかっていたニュートラルなフロアや増築を行いイレギュラーに間仕切りが多いフロアなど、基準階をもつシンプルなペンシルビルであるのに、フロアによってキャラクターを感じる不思議な構成をしていた。
解体してみると、そういった仕上げや使い方の状況は下地や構造への影響が大きく表れ、異なる質感がそれぞれのフロアに漂っていたので、ビル自体で統一した手法で計画を行うのではなく、それぞれのコンテクストを拾うように上書きすることとした。
どこまで新しくつくるのか、塗装をぬって上書きするのか、そのまま残すのか。空間の素を探る手続きをふまえ、つくりながら(コンストラクションと同時に)考えたプロジェクトである。